成熟社会 都市ストックの再編
11月 22nd, 2011

富士吉田プロジェクトの中間報告

富士吉田商工会議所と富士吉田市からの依頼を受けて、今年度から中島研究会で取り組んでいる富士吉田における富士山駅を起点とした富士信仰を活かした観光施策に関する調査の中間報告会が、2011年11月21日に開催されました。今回は、食と農に関する調査を担当する玉村先生の研究会と合同での発表でした。中島研は、学部3年の赤松、海野、学部2年の渡邊、朝香、学部1年の湯浅の5名が分担して、「歩く上吉田プロジェクト」について説明しました。富士山に向かって1キロ続く富士道を、いかに飽きさせずに楽しく歩けるようにするのか、が課題で、たつ道のオープン化や御旅所ひろばなどを提案しました。これらを本当に実現可能なプロジェクトにしていくためには、これから地域のさまざまな方々と丁寧に丁寧につめて検討していかなければならないことが沢山あります。改めて、頑張らねば、と思いを強くした次第です。また、玉村研のプラットフォーム構築を目指した現代富士講の提案は、非常に説得力があり、中島研も大いに参考に、そしてそのプラットフォームにのせられるものはのせていきたいと思います。

中間報告における全体構想案

帰り道の富士山。

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11月 22nd, 2011

銀座三越での茶室展示

 少し前の話になりますが、当研究室修士1年の平野奈々子さんと、池田研究室の水上さん、小林研究室の桝永さんの3名が共同で提案した作品(紙一重)が、「日本建築学会建築文化週間学生グランプリ2011 建築家特別養成講座」にて見事、一等賞を獲得し、その作品が銀座三越に展示され、実際にお茶会に使われました。おめでとう!!
http://www.sfc.keio.ac.jp/news/20111024.html

平野さんにとっては実作第一号。今回は屋内での展示が前提で、周囲の環境との応答よりは、茶室内部でのお茶の作法との応答が重視されていましたが、周囲に対して多様な外部への開き方が可能なこの茶室は、より外部環境に対してコンテクスチュアルにデザインされればされるほど、魅力を増すように思いました。そういう意味では、とても都市的な作品でした。

茶室

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10月 24th, 2011

中日温泉文化交流

10月8日から11日まで、中国の遼寧省の瓦房店市、大連中心部から車で2時間の位置にある龍門温泉にて、中日温泉文化交流促進会の設立関連の催しに参加してきました。9日の瓦房店市関係者と日本の温泉関係者(阿蘇市長、洞爺湖町長等)が参加したシンポジウムで、SFCの池田先生、古谷先生とともに、龍門温泉における健康の郷づくりの展望について、日本における温泉文化の紹介と先月のSFCと大連理工大学の学生によるワークショップの成果の報告というかたちで、お話をするのがメインの仕事でした。中国東北地方の文化や景観についてはもちろんのこと、日本の文化的景観、観光・健康文化についても改めて勉強するよいきっかけになりました。公式行事や交流会、視察に、とにかく忙しい3日間でした(またもや、大連市街を見学する時間はなく・・・)。

地区の現況(上)と開発マスタープランの提案(下)

龍門温泉(現況)

龍門温泉の将来イメージ提案(M1平野奈々子作成)

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10月 1st, 2011

第一回浅草聖天町活性化委員会

9月29日の夜、浅草馬道区民館にて、一葉桜聖天町振興会の活動の一つとして、第一回活性化委員会が開催されました。中島研究会は、今学期、この活性化委員会の進行役を務めます。第一回会議には、研究会メンバー全員で参加し、3つのテーブルに分かれてそれぞれのテーブルのファシリテーターとして、「活性化のイメージ」について、振興会の皆さんの意見を引き出し、話し合いを進めました。聖天町は基本的には問屋街ですので、一言に「活性化」といっても、それぞれ考えていることに違いがあること、他のまちとは違う考え方が必要であることなどが見えてきました。今後、委員会を月1ペースで開催して、来年度以降、実行可能な具体的なアイデアを見出していきたいと考えています。

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9月 19th, 2011

夏のフィールドワーク(気仙沼・富士吉田・島原・大連)

夏休みの終わりがやってきてしまいました。
下記、この夏の、学生たちとのフィールドワークの備忘録です。 

■気仙沼プロジェクト(8月11日~13日)
5月から開始したSFC気仙沼復興プロジェクト、建築、都市、農村、観光、情報等に関する様々な研究会の教員、学生たちが協働で動いてきました。8月には、港けせんぬま復活祭に合わせて、それまでの調査成果の発表やお祭り支援などを目的に、気仙沼を訪問しました。中島研からは院生の平野、学部生の久保、渡邊が参加しました。復興のキーパーソンに集まって頂いたさんぞかだりやお祭り会場の脇での提案展示を通して、改めて地域の方の思いを直にお伺いすることができました。今後の復興をどのように支援できるのか、行動で示していきたいです。なお、小林研、池田研、厳研の有志と中島研学部生メンバーが主に参加した「気仙沼復興まちづくり調査」(2011年6月)のまとめは、下記にアップしております。
http://kesennuma.sfc.keio.ac.jp/pjkesen/news/2011/07/post-7.html
 

気仙沼小学校脇での提案カードの展示

 ■富士吉田プロジェクト(8月25日~29日)
「富士山信仰と富士山駅を活かした観光振興」をテーマとして、今年から始まったプロジェクトです。富士吉田市の職員の方にサポートして頂きながら、富士吉田の火祭り、すすき祭りの見学、御師まちの資源調査、富士吉田口からの登山体験(豪雨の中、軽装はいけませんでしたね)、関係者へのヒアリング等、充実した調査を行うことができました。中島研の学部生の赤松、海野、渡邊が参加しました。28日夜には、商工会議所の委員会にて、中島と赤松で調査成果を発表し、いろいろなご意見を頂きました。参加したメンバー一同、富士吉田の奥深さに魅せられ、今後の継続調査と提案に向けての展望を得ることができました。しっかりした提案を行うために、今学期、調査を続けていきます。 

富士吉田の火祭り

 ■島原プロジェクト(8月29日~9月3日)
慶應SFCとして長崎県とともに取り組んでいる地域力向上プロジェクトの一環として、一週間にわたって、島原の資源調査を実施しました。参加した学生は9名、中島研からは院生の緒方、学部生の池田、内田、大沼、福島の5名でした。こちらも島原市役所の方々の多大なご協力により、楽しく、充実した調査を行うことができました。何よりも島原の大地の恵みになかば圧倒されながら、まちを歩き回り、多くの人のお話をお伺いし、学生ならではの若い視点、外の視点からの提案をまとめました。一週間でようやくとっかかりが見えてきたところです。今後、提案の内容を精査し、実現可能なアイデアをどしどし出していきたいと思っています。 

生活に根付いた水文化(浜の川湧水)

■大連プロジェクト(9月14日~18日)
お隣の池田先生が建物の設計に携わってこられた大連郊外の龍門温泉の、温泉街としての今後の開発のありようを考えるための調査、計画案づくりを、慶應SFCの学生3名と大連理工大学の学生5名で行いました。中島研からは院生の平野が参加しました。初めて訪れた中国の農村部、郊外リゾートはとても新鮮でした。学生たちはすぐに打ち解けて仲良くなり、共同でしっかりした調査、そしてプランの骨子を作成してくれました。中国の学生たちの、知に対するとても真面目な態度には、大いに刺激を受けました。10月に開催予定の大連でのシンポジウムで成果を発表する予定です。

農村集落でのヒアリングの様子

 

以上になります。
各フィールドワークでは、現地の関係者の方々に多大なご協力を頂きました。
改めて、感謝申し上げます。

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8月 14th, 2011

まちづくり論【2011年夏学期まとめ4】

今学期の学部生向け講義「まちづくり論」は、例年より一ヶ月遅れの5月から開始しましたが、初回に集まった学生は何と500名・・・東日本大震災を受けて、都市計画やまちづくりへの関心が大きく高まっていることを肌で実感しました。結局、選抜した200名の学生とともに、都市計画やまちづくりを通じて、この震災からの復興について考える授業ということにしました。基本的な内容は昨年から引き続いて、「都市計画」と「まちづくり」という構図を用いて、それぞれの理念や方法を事例を通じて学ぶものでしたが、毎回授業の冒頭ではその週の震災復興関連のニュースを解説し、最終レポートも、復興に関するアイデアを提出するものとしました。本年度のゲストレクチャーは、長年、谷中のまちづくりに尽力されてこられた椎原晶子さん、復興のための都市計画に一家言をお持ちの首都大学東京の饗庭伸さんにお願いし、それぞれ非常に充実したお話を頂きました。この場を借りて、改めて御礼申し上げます。今年のまちづくり論は、2011年の今だからこその緊張感と使命感を持って担当した、個人的には大いに記憶に残る授業となりました。授業を聞いてくれた人の何人かが、実際に今後も被災地の復興や都市計画、まちづくりに関心を持ち続けて、自主的、主体的にそうした世界に飛び込んでいって、世の中の役に立ってくれたらいいな、と期待しております。

授業記録

第1回  まちづくり論序 (5月12日)

第2回  都市計画とは何か (5月19日)
第3回  近代都市計画の世界史 (5月26日)
第4回  日本における都市計画の誕生と展開(6月2日)
第5回  日本における都市計画の展開と現在(6月9日)
第6回  中間総括 地元・藤沢の都市計画を通じて (6月16日)

第7回  まちづくりの誕生と展開 (6月23日)
第8回  まちづくり事例1 鞆の浦(広島県福山市)(6月30日)
第9回  まちづくり事例2 谷中(東京都台東区)(7月7日)※椎原先生レクチャー
第10回 まちづくりの特質+まちづくり事例3 柏の葉(7月10日)

第11回  まちづくりと都市計画のこれから(7月14日)
第12回  東日本大震災からの復興を考える1(7月21日)  ※饗庭先生レクチャー
第13回  東日本大震災からの復興を考える2(7月28日) ※学生発表

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8月 11th, 2011

研究会B(1)アーバニズム(場所、風景、都市)【2011年夏学期まとめ3】

8月4日から5日まで、河口湖・富士吉田にて、最終発表合宿を行いました。
まずは、最終発表会後の集合写真をアップしておきます。

さて、肝心の研究会の最終発表ですが、発表タイトルは以下のとおりでした。

■共同研究

「GINZA PROJECT」(「裏銀座」の研究と提案)
銀座チーム:一ノ関圭斗4・佐藤あすか4・辻尚宏4・武藤尚也3・乗常航人2

「松×太平台」(辻堂太平台地区におけるクロマツ景観の分析とその保全)
風致地区チーム:横田成美4・赤松智志3・海野沙弥佳3

「391街区の保全的再生に向けた研究」
都市計画遺産チーム:小川修平4・石川亮平3・河野和彦3・河本雄介3・宮下貴裕3

■個人研究

「大学キャンパスと都市形成 八王子市の郊外型キャンパスを起点としたまち形成の可能性」
眞保梨花子4

「都市の変容とコミュニティ形成」(多摩市馬引沢地区を事例として)
大沼芙実子3

「中国における都市開発の変遷と胡同保全の事例研究」
徳永周平3

「ECOLOGICAL URBANISMとは何か?」
渡邊美香2

何れも、普段の研究会での発表とは見違えるようによくなっていて、充実しておりました。
近いうちに、レジュメをアップしたいと思います。

合宿二日目は、今年から研究会メンバーの何人かで取り組む予定の富士吉田市の中心部、特に上吉田の御師集落から浅間神社、富士山登山道等を、富士吉田市の方、観光ボランティアガイドの方のご案内で見てまわりました。富士山信仰という文化の厚みを感じた一日になりました。もう一枚、集合写真をアップしておきます。

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8月 4th, 2011

デザインスタジオ「391街区の再生」【2011年夏学期まとめ2】

池田靖史先生、登坂誠先生(日建設計)とともに担当する学部スタジオ「都市と建築」では、今学期は藤沢駅前の一角の通称「391街区」の再生をテーマとしました。391街区は、1960年代に完成した防災建築街区であり、藤沢名店ビル、ダイヤモンドビル、C-Dビルという3つのビルとそれらが取り囲む中庭(はぜのき広場)から成っており、研究会B(1)でもその保全的再生に関する研究を進めています。スタジオでは、駅前の公共性の再考(特に、3.11以降の)も念頭に置き、藤沢駅前の再生の起爆剤となるような街区のありかたを求めて、自由に計画、設計してもらいました。
8月3日の夕方には、3つのビルのオーナーさんたちにご協力を頂き、オーナーさんたちの前で学生が自分の作品をプレゼンテーションするという、大変貴重な成果発表会を行うことができました。オーナーさんたちからは、一方で実現可能性の検討、一方で若者らしい大胆さの追求という、両者を的確にご指摘いただきました。一週間前の学内最終ジュリーでは、図面等未完成のものも多く、プレゼンもたどたどしく、正直、オーナーさんの前での発表、やめた方がよいのでは・・・・とも思いましたがが、一週間後、ふたをあけてみれば、皆、立派なパネルと模型、そしてプレゼンテーションを行ってくれました。改めて、学生たちの潜在能力の高さと、教育の場としてこうした社会との接点を用意することの重要性を思ったわけです。
ご協力いただきました、各ビルの皆様、どうも有難うございました。

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7月 30th, 2011

研究会B(2)奥浅草まちづくり【2011年夏学期まとめ1】

気づけば7月も残すところ二日。3.11以降、あっという間の4ヶ月が過ぎました。短く切ない夏の本番を迎える準備はまだできていませんが、忘れぬうちに、今学期のまとめを徐々にアップしていきます。

7月28日は研究会B(2)奥浅草の最終日、奥浅草観光まちづくり協会の細川さん、橋本さんのお二人をお招きして、奥浅草のまちづくりミーティングを開催しました。まず、学生たちから、5月、6月の植木市調査の報告があり、続いて、研究会の皆で作成した奥浅草まちづくりカードを用いて、奥浅草で今後、展開していくべき取り組みについて話し合いました。【植木市リラックススペース】、【芸者さんの植木市案内】、【奥浅草日めくりカレンダー】、【fashionable poster plan】といったあたりのアイデアは、奥浅草観光まちづくり協会の方にも関心を持って頂けたようですが、橋本さんからは「事例があるということはオリジナルではない。オリジナルな提案が欲しい」「もっともっと主観を入れてほしい。自分が行きたくなるような植木市を」といったアドバイスを頂きました。細川さんからは、「今後、地域、植木屋、そして大学の三者で話し合いを進めて、多くの人にアピールする魅力的な植木市、植木市のあるまちをつくっていけたらいい」、という言葉を頂きました。今学期は、植木市で配るパンフレット製作と当日の来街者・出店者調査、そしてそれらに基づいた提案づくりが活動のメインでしたが、来学期は、是非、提案の幾つかを実現に向けて動かしていきたいと思っています。

細川さん、橋本さんも参加した、懇親会での一枚。

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4月 25th, 2011

大宮まちづくりコンペ

この4月から新たに3年生になる学部生4名がチームを組み、都市計画学会主催の学生提案競技に参加しました。皆、初めての経験で、スキルも未熟で、提案をまとめるのに苦労していたようですが、何とかA1パネル2枚を作成しました。中山道の宿場町の都市構造をどう活かすか、氷川神社の存在をどう活かすか、といったところが中心のテーマとなりました。まぁ、ここが出発点、これから頑張っていきましょう。

作成したパネル

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