研究会の3年生4人(石川亮平、河本雄介、河野和彦、宮下貴裕)は先学期から共同で藤沢駅南口の、はぜのき広場を中心に名店ビル、ダイヤモンドビル、C-Dビルの3つのビルからなる通称「391街区」の研究を進めていますが、先のORFに合わせて、簡単なパンフレットを作成しました。
彼らの研究の基本コンセプトは「都市計画遺産」ないし「都市遺産」。非戦災都市である藤沢では、昭和30年代後半から昭和40年代前半にかけて、全国に先駆けて、都市改造事業として、駅前広場の創出を大きな目的とした駅南口一帯の土地区画整理事業が実施されますが、その際、防災建築街区が合わせて指定され、その一部である391街区では、その基本計画で採用された中庭型街区という意欲的な空間像がそのまま実現しています。ビル、街区の空間構成の特徴とともに、その都市的な意味を都市計画史や現代都市史の視点から解き明かし、今後の継承や再生に向けた提案をしていきたいと考えています。

藤沢防災建築街区基本計画(1962)/藤沢市役所所蔵・中島撮影