第5回前現代委員会とPD「前現代の都市・建築 遺産としての可能性を問う」開催のお知らせ

6月 17, 2012 by
Filed under: イベント, 前現代遺産研究委員会 

6月18日の午後、建築会館にて、第5回前現代委員会の研究会を開催しました。今回は、中野茂夫さんが「松江の官庁街形成」について、小山雄資さんが「鹿児島を中心とした住宅協会の活動」について、最新の研究成果を発表して下さいました。質疑では、まさに都市計画史、住宅政策史、近現代建築史を横断する、「前現代」の本質を問うような議論が展開されました。特に今回は改めて「前現代」における「地方」の重要性が浮かび上がったように思われます。

さて、私たち前現代委員会では、9月の建築学会大会において、下記のようなパネルディスカッションを企画しております。ご関心のある方は、是非、ご参加ください。これまでの前現代委員会での議論を紹介しつつ、さらに視野を広げていきたいと思っております。

タイトル :「前現代」の都市・建築 遺産としての可能性を問う

資料 : あり

日時 : 9月13日(木)9:00~12:30

会場 : 名古屋大学

司会 倉方俊輔(大阪市立大学)

副司会 中野茂夫(島根大学)

記録  小山雄資(鹿児島大学)・石榑督和(明治大学)

プログラム             

1.主旨説明 中島直人(慶應義塾大学)

2.主題解説

❶設計者として語る前現代遺産 伊達美徳(まちプランナー)

❷昭和の都市、建物の魅力をどう伝えるのか? 鈴木伸子(編集者、ライター)

❸前現代の都市・建築遺産の都市史・都市計画史的意義とその現状 初田香成(東京大学)

❹身近にある前現代建築の魅力とその活かし方 高岡伸一(大阪市立大学、ビルマニアカフェ)

3.討論 

コメンテーター

北垣亮馬(東京大学)・青井哲人(明治大学)・中尾俊幸(株式会社アール・アイ・エー)

「前現代」は「現代」ではないが歴史として画期が確定したわけでもない、近過去のある時期を指す造語である。40歳以下の委員で構成される「前現代都市建築遺産(の)計画学的研究【若手奨励】特別研究委員会」では、戦災復興期以降、霞ヶ関ビルが完成し、現行都市計画法が成立する1970年前後までを「前現代」期と設定し、この時期に生み出された様々な都市・建築空間の遺産価値やまちづくりへの活かし方について研究を進めてきた。

今世紀の都市は、そのありようを肯定するにせよ、否定するにせよ、事実としてストックに埋め尽くされている。そして、我が国における建築ストックの多くは「前現代」期に建設されたものである。しかしそうしたストックは、エイジング=老朽化という図式の下、特に次なる大震災への備えの意識から、耐震性の不足という理由ですでに更新の対象となり始めている。我が国の都市の近代は「歴史を消し去る歴史」であったが、これからもその歴史を繰り返すのだろうか。少なくとも、今まだその多くが健在のうちに、それらの遺産価値について議論し、それらを使い続け、都市を成熟させていく、都市生活を豊かにしていくアイデアを用意しておきたい。

近年、前現代の遺産に対するまなざしは確実に豊かになってきている。かつての近代建築の遺産評価の主流であった作家論や意匠論ではなく、都市論、生活論との結びつきをより強めている。日常生活の中に、これらの「少し古い」ものを自然と取り込む人が増えてきている。

本パネルディスカッションでは、委員会での議論を土台としつつ、開かれた議論の展開を目指す。実際に設計した立場、魅力を伝える立場、それを日常生活に取り込み、活用を試みる立場、再開発事業に携わる立場など、異なる立場から、前現代の都市・建築遺産とは何か、それをどう評価し、どうまちづくりに活かしていくのかを議論したい。

 

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